日本酒売り場で、ふとこう思ったことはありませんか。「隣に並んでいるのに、なぜこんなに値段が違うのだろう」と。実は、日本酒の値段を大きく左右するのは ”酒米(さかまい)” です。

日本酒は「お米のお酒」
日本酒は、ワインがブドウからできるように、お米からできるお酒です。そのため、使うお米の種類と値段が、そのまま日本酒の原価に影響します。一般的な食用米と違い、日本酒用に作られたお米を酒米と呼びます。酒米は粒が大きく、中心に「心白(しんぱく)」という白い部分があり、ここがきれいに発酵することで、雑味の少ない酒になります。
主な代表的な酒米の種類
酒米には多くの品種がありますが、よく使われる代表的なものを知っておくと、日本酒選びがぐっと楽になります。
・山田錦(やまだにしき)
「酒米の王様」と呼ばれる存在。香りが高く、味にふくらみが出やすいため、大吟醸・純米大吟醸などの高級酒によく使われます。値段も酒米の中ではトップクラスです。
・五百万石(ごひゃくまんごく)
すっきり、軽やかな味わいになりやすい酒米。新潟を中心に広く使われ、食事に合わせやすい日本酒が多いのが特長です。比較的、手に取りやすい価格帯のお酒に使われます。
・美山錦(みやまにしき)
長野や東北で多く栽培されている酒米。ややシャープで、キレのある味わいが出やすく、「辛口が好き」という方に向くお酒が多いのが特長です。
・雄町(おまち)
栽培が難しく、生産量が少ない希少な酒米。コクがあり、個性的な味わいになるため、「日本酒通」に好まれる傾向があります。
酒米の値段はピンキリ
このように、酒米は品種によって値段も性格も違います。
・高級酒米(山田錦など) → 原価が高い → 日本酒も高くなる
・一般的な酒米 → 原価が抑えられる → 日常酒として楽しめる
という、とてもシンプルな構造です。
日本酒好きはわかってます「高い=うまい」ではない
ここで大切なのは、高い酒が必ずしも自分に合うとは限らないということ。軽やかな酒が好きな人もいれば、どっしりした味わいを好む人もいる。
酒米の違いは、値段の違いではなく、味わいの個性の違いでもあります。値段の理由を知った上で選ぶ日本酒は、きっと今までより、少しだけ美味しく感じられるはずです。

